2010年5月15日 雷鳥沢周辺

   

朝5時起床。外に出ると気持ちのいい晴れ空であった。しかし、異様に寒い。今日はゆっくりと 山歩き。6時の電車に間に合わせるべく支度もゆっくり。道端のマーガレットが歓迎してくれた。 どうせ1時間くらい待たされるのだろうと予想し、コンビニで朝食GETし、本も1冊入れた。 乗り換え駅の岩峅寺で30分ほど待ち合わせがある。いつもの駅長さんとのたわいもない会話に 花が咲く。もう顔を覚えてもらったらしい。立山駅では待ちなしであった。出発まで20分しか ない。急いで駅横の湧水を入れ朝食を平らげた。9時10分に室堂着。思ったより早かった。 予定では、雷鳥沢周辺を無理なくゆっくり歩くことにしていた。ほぼ無風。−3℃なので暖かい。 太陽の光で汗ばむほどである。それなのに、雨具の上下を着用した。その理由はこれから分かる。 今日はアイゼンは無しでスノーシューのみにした。雪の状態は最悪である。剣岳をバックにした つもりが写っていない。

ターミナルからみくりが池方面に向かいキャンプ場を目指す。スノーシューはどこでも歩けるので ひたすら優越感に浸った。すれ違う人に羨ましがられ説明を求められた。新雪のバージンロード を最短の距離で歩ける。写真は大汝山の真下に来たときである。よく見えないが、大汝山方面に 数人歩いているのが見えた。雄山の社務所もはっきりと見える。いい天気だ。今日は時間を気に しなくていいので無理なくゆっくり歩いている。気持ちがいい。

アイゼンや登山靴だけの人はかなり遠回りしなければならない。下に雷鳥沢のキャンプ管理棟が 見える屋根まで雪である。駅でキャンプ場にトイレと水場が確保されたと案内されていた。昨年は 埋もれたままであった。スノーシューなのでここから急降下することにした。

下りの場合は、グリセードができる。いわゆる尻ソリである。スピードが出すぎるのでピッケルで ブレーキをかけながら滑り降りる。これがなかなか楽しい。童心に戻る瞬間である。本番は雷鳥坂 で行うが、少し練習した。雪が柔らかすぎて上手く滑らない。

雷鳥沢のキャンプ場である。今日は3張りのみ。エスキモーのサイロのように雪で堤防を作って 風除けしてある部分があったので管理棟をバックに一枚撮った。ペグはかなり奥まで埋めたようだ。 参考になった。管理棟前は除雪してあり、トイレと水が100円で使えた。3mほどの積雪である。

キャンプ場を通り抜け浄土川に向かうが川が無い。浄土橋もない。3m下に埋もれているらしい。 この道は剣岳方面の人が通る。何十人と向かっているのが見えた。雷鳥坂にした理由はグリセード の他に雷鳥撮影の目的もあった。たくさん人が来るので50mほど東に移りハイマツの端で休憩した。 さて、グリセードをやろう。登ってくるのが大変なのでスノーシューを持って滑った。 ギャラリーが来るのを待って滑った。剣方面に行こうとしている若い女性は足を止めて注目してくれ た。こんな楽しい遊びはない。2枚目は滑った跡である。ほぼ一直線である。これくらいの傾斜なら 十分滑れる。雨具が効いている。3回ほどやったら汗がだらだらで大休憩になった。

11時半になっていた。そろそろ昼ごはんにしたいが、狭く急傾斜なので辺りを物色していると 大きな口を開けたクレバスが見えた。川の上だからか。10分ほどの距離なので移動した。 近くまで行きたかったが身の危険を感じたので背景にした。V字の大きな穴である。落ちれば 助かるまい。このころから雨具の上は脱いだ。手袋も取った。とにかく暑い。無風に近い。

コンロでお湯を沸かし。折りたたみの椅子座って写真を撮ろうとしたら、椅子の足が雪にめり込み 尻もちをついたところでパシリとなった。
何かいい方法はないかと考え、スノーシューを下に敷いて椅子を乗せればいいと考えた。結果は 良好でゆっくり昼食をとることができた。しかし、山で食べるカップヌードルはなぜこんなにおいしい のだろうといつも思う。今日はカレーヌードル。風が酷い時のためにパン。行動食はバウムクーヘン とした。少し贅沢かなあ。タオルとコーヒーを忘れたのが痛かった。リュックは18Lと小さいので 30L位のが欲しい。

さあ、雷鳥探しに行こう。ハイマツを目当てにして歩いた。帰りは大回りしたのでターミナルまで 3時間掛けた。しかし、残念ながら雷鳥との出会いは持ち越しになった。だいたい確率10%位か 途中プロのカメラマンのような大きなカメラも持っている人にも聞いたが足跡だけらしかった。 天気が良すぎるのか、気温が高すぎるのか。キャンプ場から一の越方面へ道があったので従った。 誰もいない静かな歩きになった。雪が溶けて落ちる水音が聞こえるほど静寂だ。しばらく行くと 写真のような鳥の羽根が束になっているのを見つけた。

雪屁が出来ている。ブロック雪崩の跡も見える。あの上に登ったらアウトである。

みくりが池付近で大きな煙柱が出来た。地獄谷は今日も元気だ。しかし、通行止めに なっている。好き好んで硫化水素の匂いはかぎたくない。みくりが池は湖面が出ておらず。 すこ〜し色が変わっている部分があるだけで、知らない人が見たらただのくぼみだろう。 湖面に降りてみたい衝動に駆られたが、ギャラリーが多すぎるので自粛した。富山平野 方面を見たら、雲海が出来ていた。下界は曇りか。山の上は雲一つない快晴である。
帰りも待たされることなくスムーズに帰れた。車窓から見える山々は若葉青葉が鮮やか で新緑の五月まっさかりであった。日焼け止めをいつもより厚く塗っていったが、タオル を忘れたので首の前が赤くなってしまった。もっとも、そのままアフリカに行っても 原住民と同じで区別が付かないであろう人達も数名見かけた。若いっていいなあ。
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