2012年 3月10日 奥医王山(撤退)

日(曜) 2012年 3月10日(土)
行き先 奥医王山
天候 雪、濃霧
メンバー YUJIさん、masamiさん、ぜんち
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
ゴンドラ前  9時20分
夕霧峠(昼食) 11時00分ー11時15分 100分
奥医王山(途中) 11時25分ー11時30分  10分
ゴンドラ頂上 12時10分  40分
合計 150分(2時間30分)


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「たま山」サークルの冬山の最終を飾る登山である。今シーズンは、1月に東の大品山、2月に中央の牛岳、そして3月に西の医王山の 企画であった。イオックスアローザは新しく、日頃立山山麓しか知らない自分としては、垢ぬけた感じがした。リフトはどうだろうか。 インフォメーションで聞くと、往復で900円とのことであった。切符売り場では、帰りは無料ということであった。

 天候は曇の予報であったにも関わらず、駐車場からガスがかかっている。しかし、この時点では、安易に考えていた。何せ3月である。 硬く締まった雪の上に無数の足跡が付いていることを疑わなかったのであった。

 ゴンドラは広く快適であった。降車して、カンジキを履いた。「なんじゃ!こりゃ!」視界30mぎりぎり。コンパスを夕霧峠に合わせ、直登する 予定であった。視界がないということは危険である。スキーゲレンデで遭難ということになりかねない。リフト係員に相談すると、半ばあきれた 顔をされながら、リフトに沿って行く方がいいとアドバイスを受けた。林道を下がる。まもなく、停止していると聞いていたリフトが動いているのが 眼に入る。「ラッキー!」リフトの柱の番号が5/14であった。下から5番目の支柱という意味である。上がっても9本分。しかし、安全第一と 下降した。これで、楽ができる。やれやれ。  

 リフト乗り場は数人のボーダーがいるのみ、次々と誰も乗せていないリフトが送り込まれて行く。「あの〜!」すると、小屋の中から係員が出てきて スキーとボーダー以外は乗せないと言う。お金は払う。ダメ、これが見えないのか!  そこは、本音と建前の世界であろう。視界がほとんどきかなく、こうして低頭で頼んでいるではないか。ずいぶん、冷たいスキー場だ!!

 おまけに、危ないから端を歩いてくれ!と来た。1/14からゲレンデを登り始める。

 枝に雪が面白い形で付いている。風の強さと雪の多さが分かる。

 ほとんど見えない。コンパスを何度も出して方向を確認しながら行く。行き止まりになった。「ここ登るぞ!」とYUJIさんの声がする。 はっきりいって、急登のレベルを超えている。私は、ハイハイ登りで付いて行くのが精一杯。絶壁である。途中、ズボッ!と太ももまで入り込んで しまった。両足である。脱出には5分ほどかかった。こんな時に慌てると筋違いになることが多い。しかし、これは序章であった。

 百万石道路(らしい)場所にでる。夕霧峠の建物が見えない。コンパスはここに合わせてあったはず。masamiさんが「あそこに、柱 のようなものが見えますよ」masamiさんの視力は我々よりいい。30mほど歩くとおなじみの目印があった。今日はここまでだろう。  

 眺望もなにもあったものではない。真冬の吹雪状態である。しかし、気温は高く1℃であった。

 食事をサッと済ませて、少し医王山へ行こうということになった。鳥居だけでも拝んで来たい。    

 鳥居は全没で見えない。もともと、そんなに立派な鳥居ではなかった。これから頂上までは尾根伝いである。視界が無い状態で は危険である。コンパスの性能はだいたい分かっている。途中の平らなところまでとした。

 帰りは登ってきた絶壁を下らなければならない。YUJIさんはストック2本で器用に降りて行く。masamiさんは座りながら 一歩一歩足を出してゆっくり進んでいく。自分は、恐怖が先に出て、立ちすくんでしまった。頭の中で、転落の可能性を考えたら99.9% とはじき出された。

このまま、ここにつっ立っていても何も解決しない。こういう場合は、転落前提で行くしかない。ウエストバッグを リユックに入れ、バックルを2か所セットする。帽子も深くかぶり、手袋も紐を通した。リュックを後ろにして、登って来たと同じように 4本の手足で下る。途中、雪崩の場所を通る。こんなのが来たらひとたまりもないだろうと思いながら撮影する。

二人に追い付いたら、YUJIさんがトラバースでスリップして約20m滑落したと聞いた。器用に腹ばいになって滑っていったとのこと。 流石である。下手に手足で止めようとすると骨折する可能性が高い。  

 温泉は決めていた、インフォメーションに100円引き券があったので、400円で入湯できた。露天風呂は温度が高くいい気持ちである。

しかし、少し前の想像を絶するような予定外の恐怖感は3人とも引きずっていたようだった。

 締めは、福野駅前の有名なラーメン屋さんである。十分登録レベルである。

 今回は、masamiさんの車で送迎してもらった。やっぱり、楽である。反面、これに慣れてしまうことに対して 不安が襲った。人間、楽を覚えれば切りがない。



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