2013年8月14日〜16日 雲ノ平、黒部五郎岳

百名山

日(曜) 2013年8月14日(水)
行き先 薬師沢小屋
天候 晴れ
メンバー 単独行
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
富山駅  5時00分
折立登山口  7時10分
(休憩)  7時45分ー 7時50分  35分
三角点  8時45分ー 8時50分  55分
(休憩) 10時20分ー10時30分  90分
五光岩ベンチ 10時55分ー11時00分  25分
(休憩) 11時25分ー11時30分  25分
太郎平小屋(昼食) 12時20分ー12時50分  50分
水場 14時 5分ー14時10分  75分
カベッケガ原 15時15分ー15時20分  65分
薬師沢小屋 15時30分  10分
合計 430分(7時間10分)

日(曜) 2013年8月15日(木)
行き先 黒部五郎小舎
天候 晴れ
メンバー 単独行
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
薬師沢小屋  4時50分
木道  7時00分−スルー 130分
アラスカ庭園    7時20分ー 7時25分  20分
雲ノ平山荘  8時10分ー 8時20分  45分
(休憩)  9時20分ー 9時25分  60分
祖父岳分岐  9時40分ー 9時45分  15分
(休憩) 10時40分ー10時45分  55分
黒部川源流 11時40分ー11時45分  55分
三俣山荘(昼食) 13時00分ー13時30分  75分
黒部五郎小舎 16時30分 180分
合計 635分(10時間35分)

日(曜) 2013年8月16日(金)
行き先 太郎平小屋
天候 晴れ
メンバー 単独行
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
黒部五郎小舎  5時30分
(休憩)  6時40分− 6時45分  70分
 7時50分ー 8時00分  65分
黒部五郎岳登頂  8時10分ー 8時20分  10分
 8時30分ー 8時40分  10分
中俣乗越  9時45分ー10時00分  55分
(休憩)嘔吐 11時50分ー12時00分 110分
北ノ俣岳 13時 5分ー13時10分  65分
太郎平小屋 15時20分 130分
合計 515分( 8時間35分)

日(曜) 2013年8月17日(土)
行き先 折立登山口
天候 晴れ
メンバー 単独行
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
太郎平小屋  5時30分
(休憩)  6時40分− 6時45分  70分
折立登山口  8時10分  85分
合計 155分( 2時間35分)


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 いつもは、綿密に計画を立てて登山をしている(つもり)。しかし、長期連休を利用して、その時の体力や気分に 応じた登山をやって見たくなっていた。時間から時間というのはあまりにもせわしない。公共交通機関を利用する身 としては、ゆっくり、気の赴くままに静かな山へ行くことにした。当然予約どころか、準備や下調べは不十分である。
 いつもと違うのは、テントを背負っていることである。食糧を積むと20kg近くなるので、あくまでもビバーク用で 全日程山小屋泊である。ハイシーズンであるにも関わらず予約はしてなかった。

 いつもの夏山登山靴は足に合ってなく、いつも痛い思いをするので、値段で2倍以上する、冬用の登山靴を履いていった。 後にこれが致命傷に近い形で返ってくるが、出発までは知る由もない。

 静かな山として選んだのが『雲ノ平』である。登山バスでGO!

 おなじみの、折立登山口である。登山バスは富山駅で25名ほど、途中の有峰口での同じくらいの人が乗り、 バスは助手席を倒しての対応であった。

 マイカー族は、路上駐車の長い列がトンネルまで続いている。歩いて1時間ほどかかるんじゃないかと思ったりする。 

 折立から太郎平小屋までは、幾人もの人に抜かれるが我関せず。マイペースで登る。ちょうど、昼時になったので 山小屋で昼食を採る。「太郎平ラーメン」を注文する。

 さあ、これから行く場所の看板の前で撮影する。雲ノ平山荘まで行くことができれば、水晶岳も可能か、などとほくそ笑んでいた。

 アクシデントが起きたのは、薬師沢小屋への登山道で、足の裏の皮が2cm角で剥けてしまったことであった。日頃もったいなくて 履きなれていない登山靴であったので、靴擦れもあったりとにかく、ヒリヒリの状態であった。ここは、耐えるしかない。途端に ペースが落ちてしまった。テントを背負っていることも要因の一つであろうが足をかばいながらでは距離は稼げない。

 写真は、沢で釣りをしている団体である。「釣れますか?」と聞くと、「よく、釣れます。」と返って来た。一応、キャッチアンド リリースをしなければいけないらしいが、分からなかった。

 このルートは徒渉が3か所あると昔のガイドブックには書かれてあるが、このように高い橋があり問題は無かった。 しかし増水時は、橋の下ぎりぎりまでになるようだ。

 2番目も問題はなかった。

「キヌガサソウ」が群生している。

 急直下の長いハシゴもある。  

 至るところで水が溢れており、そのうち岩に溝が切ってある水場のところで、たらふく水を飲んで、 ペットボトルにも補給した。最近、大腸菌問題であまり飲む人が多くないようだが、冷たくて いい気持ちである。

 3番目の沢も大丈夫であった。

 足を引きずるように少しずつ歩く。ここで休息である。このころから、薬師沢小屋宿泊に決める。

 薬師沢小屋到着である。受付を済ますと、2畳で3人とのこと。まあ、ハイシーズンではいい方だろう。 上を向いて眠れるだけで幸せである。

 薬師沢小屋の外観である。夕飯までうろうろする。釣りをしている人や、沢まで入り、風呂のように汗を流して いるつわもの達もいる。タオルを沢の水に浸して体を拭いている人も多かった。自分は、ユニクロのヒートテック のみであったが、少し休むとサラサラで不快感はなかった。  

 この釣り橋を渡って「雲ノ平」へ行く。下には、黒部川が流れている。

 夕飯である。

 ここでの話題は、雲ノ平へ行くまでの500mの急登であった。話だけから、八朗坂のような登山道をイメージ していた。マップタイムは2時間である。同じぐらいだ!・・・しかし・・・・。  

 翌日は、早立ちの積りであったので、朝食は抜きにして弁当を頼んだ。それを4時過ぎにテラスで食べる。 まだ、暗い。  

 危ないので、視界が利いてから出発する。途中、滝のすぐ前を通る。

 さあ、ここから「雲ノ平」の登山道である。一瞬、冗談かと思った。直登であった。  

 登山道というのは、九十九折になって左右にギザギザに作られているものと考えていたが、 最初から直登である。

 このように大きな岩や倒木があり、この状態で500m続くのであった。途中、逆に降りて来る人に すれ違い、どこまで続くのかと聞くと、最後までこの状態ということであった。ショックが襲った。

 だいたい2時間で登りきると、木道が迎えてくれた。しかし、この時点で今日の体力はほぼ使い切ったように感じた。

 雲ノ平は弥陀ヶ原を大きくしたような感じで壮大な平原であった。

 このように木道が完備されている。  

 ここで迷いかけたので、マップを取りだすと、祖母岳への登山道分岐と分かり、山荘方面に向かう。

 雲ノ平山荘に到着する。ホテルの様であった。近くにキャンプもできる。ここを拠点にして、いろいろ登山する人が 多いようだ。  

 さて、鷲羽岳への分岐である祖父岳分岐である。私が着く前に3組が休んでいた。
 まだ10時前で、鷲羽岳には、ここから30分+40分+80分で行ける。立山登山をすると考えれば いい。私は、マップを取り出し悩んでいた。足の故障を抱えて登れるかである。そうしている内に、4人 家族は、三俣山荘の方に向かっていった。こっちには「黒部川の源流」がある。次の二人連れも鷲羽方面 へは行かず、最後の一人も三俣方面であった。

 鷲羽岳はそんなに人気がないのかね。百名山なのに。やはり、怪我のリスクを最小限にした方がいいという 判断で、鷲羽岳をスルーした。三俣荘までの時間はあまり変わらない。  

 登るつもりであった鷲羽岳である。マップを見ると、三俣山荘から80分で登れるので、水晶岳と抱き合わせで別途 計画してもいい。今日のところは、無事帰れることが優先である。

 しかし、こっちの道も半端ではなく、後に太郎平小屋でいっしょになった人の話では、鷲羽岳は黒部五郎岳より簡単 であったと聞き、残念がった。

 黒部川源流へ向かうには、今の山を500mほど下らなければならない。ガレ場であり難儀した。向こうに見えるのが (写真で小さくで見えない)が、三俣山荘である。今日の宿泊予定場所である。  

 黒部川源流に到着した。徒渉があった。ロープ一本のみ張ってある。もちろん体重をかけてはいけない。足首までは 浸からないと判断して前の人の後ろに続いた。ここの水もたらふく飲んだ。冷たくて美味しい。これが、黒部川の源流だ。

「クルマユリ」が群生している。花は、ニッコウキズゲ、チングルマ、キオン、ウサギギク、ゴゼンタチバナ、 リンドウ、ツガザクラ、コイワカガミ、ミヤマキンバイ、チョウノスケソウ、イチゲなど豊富で有った。

 三俣山荘に到着した。13時である。ここで、黒部五郎小舎まで行くことを決める。

 お昼は腹もちがいいようにカレーにした。

 黒部五郎小舎へは、2通り示されており、三俣蓮華岳を通るコースと巻き道である。 私は、足の故障を抱えており、巻き道で向うことにした、マップタイムで2時間である。  

 予想通りあまり起伏がなく、こんな雪渓もありなかなか面白かったが、テントが重いためか、足の故障の ためか、2時間たっても到着する気配がない。

 やっと小屋の看板が出て来たが、もう3時間になろうとしている。  

 ヘトヘトで到着した。ここも小屋の前に直登りがあり、こっちは下りだが、一歩降りる度に、足にズキンと痛みが走る。  

 予約してないことで直ぐに部屋の手配が出来なかった。(すいません。)「チョット調整してきます。」 と席を外された。家族部屋の片隅に取っていただき、同室の人の了解をもらってきたとのこと。

 ここで、靴下を脱いでゆっくりしていると、隣の秋田県からの「Aさん」が私の足裏を見て、直ぐに立派な絆創膏を 出してくださった。私の持っている100枚98円とは違い、大きくて、かつずれにくい。Aさんに感謝いたします。 同行されている人は百名山2順目ということであった。  

 さて、夕飯である。正直度肝を抜かれた。これが、山小屋の夕飯か?どこかの旅館のようであった。  鶏肉のステーキは皮ごと柔らかくなっている。   別椀の蕎麦もなかなかない。  天ぷらは、衣がカリカリで野菜はナス、ゴボウ、何かの葉っぱで大満足である。  煮物も手が込んでいる。

 山小屋の食事のベスト1決定である。

 マカロニサラダとキャベツも山ではありがたい。2杯お代わりした。夕飯後は、いっしょに食事をした方々と 山談義で盛り上がった。  

 朝食も最高レベルだと思う。味だけではなく美的なセンスに感動した。 

 足の故障があり、登山は避けたいと思っていたが、折立に帰るには黒部五郎岳を経由しないと無理であった。 ここが正念場である。無理はしないようにゆっくり目で登ることにする。

 朝の風景と小屋の外観である。

 黒部五郎岳へは、カールコースと稜線コースがあり、私は軽度なカールコースを選択した。

 途中で一息入れて黒部五郎岳を撮る。

 趣のある標識なので撮っておこう。

 マップタイムより30分遅れて「肩」に到着し、テントの入ったリュックをデポして頂上を目指す。  体に羽根が生えたように登り切る。

 無事、登頂である。

 なんかあるぞ!

 この時期外れに「青いリンゴ」をスーパーをハシゴして探した努力は認めるが、なんか違わんか?(語呂合わせです。)

 頂上からの景色で360度の眺望が待っていた。

 富士山が見えなかったは、少し残念かな。  

 これだけ見れればいい方だろう。

 さあ、ここから折立まで帰るとする。13時までに太郎平小屋に着けば、そのまま折立まで夕方入り、 無料テント場で夜を過ごせば一泊浮くという皮算用をしていた、地図を見ると、登りできつそうなのは 赤木岳と北ノ俣岳位だ! 後は、下りでスイスイと考えていたのであった。

 縦走すると云うことは、複数の山の稜線を歩くことである。つまり、一山ごとに、一旦下山し、再び 登山道を登るのである。地図に名前にない山々のピークを幾つ踏んだか分からない。

 目の前に大きな山があり、急登である。私は、登り直前で休憩し、嘔吐してしまった。もちろん、水しか 出ない。後ろから若い人が来て、この山は赤木岳でしょうかと聞いたら、マップを出してそのようですと 返ってきたので、なんとか、急登を足を引きずりながら進む。頂上に到着したら、向こうにも大きな山が 見える。あれこそは、北ノ俣岳で最後の山だと思っていったら、その山が赤木岳であった。

赤木岳の頂上からは、大きな山が遠くに見え、果てしないような登山道が伸びている。ここで、意欲が 途切れてしまった。テントの入ったリュックは、腰ベルトで止らず、全量肩に掛かっている。

 私は、必死の形相をしていたはずである。やっと着いたが、これまで幾つものピークの一つに過ぎない。

 黒部五郎小舎でいっしょに泊まった人が、神岡新道経由で入ったと話されていたが、確かにその方がいいかもしれない。

 神岡新道との接点である。  

 1時間過ぎても太郎平小屋が見えず、ルートミスしたかと思った。幸いに、後ろから若い二人連れが来たので 聞くと、道は合っている。太郎小屋はあそこに見えますと指の指し示す方向を見ると、一山向こうに赤い建物が 小さく見える。「また、山かぁ〜〜〜〜〜ぁ!」どう少なく見ても1時間以上かかる。足の痛みはピーク近く になり、10分ほど歩いては、岩に座りの繰り返しであった。13時までは着けないことが確実になる。夕暮れとの 勝負である。

 体力も気力も使い果たし、生きて帰ることのみを考えてトボトボと足を引きずるように、一歩、いや半歩ずつ進む。  

 小屋が見えた時は、躍りあがらんばかりであった。そんな体力は残っていない!  

 今から折立へ降りるにはマップタイム3時間なので元気であれば可能であるが、そういう力は無かった。

 受付をする。よろめいたので「大丈夫ですか?」と聞かれたので「はい、大丈夫でありません。」と返事し、失笑 を買っていた。

 足をけがして・・・・と言うと、それで15持過ぎは早い方ですとおべんちゃらを言う。確かに、18時に到着した 人もいた。薬師沢小屋で一緒になっており覚えてくれてたようで声を掛けられた。もちろん、素泊まりのみであった。 私と似たような状況らしく、もう山は登れないなあ、と話されていたことが印象的であった。  

 夕飯である。ここでも一人1畳あてがわれた。隣の人が金沢の人で、年齢も近く、いっしょに食事をしたり 情報交換をしたりした。いびき防止用に鼻に張る薬をもらった。これは買いに行こうと考えている。

 朝の太郎平小屋前である。今日も晴れそうだ。  

 小屋の全容も撮っておこう。

 バスは折立発10時20分である。マップタイムが下山で3時間なので、4時間以上かけてゆっくり 下山したい。朝の散歩代わりである。朝食もゆっくり食べた。

 朝のさわやかな風を受けながらゆっくり下山をしていると、後ろからご婦人2名がいいピッチで追いかけてくる。 すれ違い様に言葉を交わすと、8時40分に有峰駅行きがあるということであった。飛ばせば間に合わない時刻では なく、いっしょに下山した。玉の汗が噴き出す。早いのなんの。このご婦人、東京の方々で百名山を達成すみで、 今回は、野口五郎岳、水晶岳、雲ノ平と回ってきたとのこと。ということは、雲ノ平への急登ですれ違っているはず であった。

8時10分に折立登山口に到着し、接続がよく11時には帰宅できた。


ガイドブックによると、同じルートではないが、総距離=43km,標高差3,600mとあった。 立山登山を10回以上やったような感じがした。今回の反省点はいくつかあるが、マップタイムだけで予定は立てられない ということで、テントを担いで自分はどれだけ歩けるかに従って、予定を立てなければならないということである。 当然なのだが、地図を見ていると行けそうな錯覚に襲われる。靴はケチらないで履きつぶそう!



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