2016年6月26日 植物分布調査

コシジタビラコ、ミズタビラコ



日(曜) 2016年6月26日(日)
行き先 八尾〜大沢野
天候 晴れ
メンバー 花じいさん、みみな草さん(旧、けいちゃん)、ぜんち
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
待ち合わせ場所  8時40分
女峰登頂(昼食) 12時00分ー12時35分
待ち合わせ場所 17時30分




 加入している山の会では、登山の計画が立っていた。しかし、昨日からの降雨で登山道はグチャグチャだろうということで中止になった。
 天気は良さそうであったが、さて何をして過ごそうかと考えていると、お誘いのメールが届いた。メインは、富山県中央植物園友の会の 植物画部会が県民会館でボタニカルアート展を開催しているので、誘った人の知り合いが展示しているので、見に行こうということであった。
 その後、どこか適当に自然観察でも・・・。私は、即答で「乗ります!」と返事を返したのであった。

 近くのコンビニでピックアップしていただくことになっているが、私は1時間前に自宅を出て近くの公園で読書タイムにした。朝の涼しい風を 受けての読書は何物にも代えがたい気がする。

 これは、セグロセキレイであろう。少し遠かったね。  

 花じいさんにピックアップしていただき、みみな草さんと合流し展示会を見に行く。しかし、時刻が来ても扉が開かない。仕方がないので、別の写真展示会を 一覧した。戻っても開かない。なんと、入り口が違っていたのであった。扉の前の案内所の貼り付けていない掲示版が立っているので、ここだと勘違いする。

 新聞に紹介された記事によるとボタニカルアートとは、図鑑用に開発された技法ということであった。自然では一度に見ることのできない。花と実などが 詳細に分かるので、私のような下手な写真より良くわかる。

 さすが、中央植物園の会とあって知らない植物が多かった。ジャラジャンダ、アカフサスグリ、センニコウ、クレメオ、リカステ、キバナカタクリ、など。

 嬉しかったのは、地元の新聞の読者の広場に「ミヤコワスレ」の花が咲いたという投稿があり、図鑑で調べようと思っていたところ、この展示会に展示されていたことだ。  しかもリーフレットの表紙も飾っていた。

 小一時間で車に戻った。これは、無料の駐車時間が1時間になっているためである。八尾方面に行くとのこと。そういえば、前回夫婦山登山の時に なんとかという植物が近くにあると話されていたことを思い出した。
 コシジタビラコとミズタビラコの植生分布と北限を突き止めようという壮大な試みである。この時点で私に頭はタビラコという花かなあという感じで あった。
 この花は、水辺を好むのでいわゆる自然の沢の中を探すことになる。当然長靴である。

 もちろん、登山道などという道はなく、道なき道を歩くのであった。  

 ちいさいカエルである。2cmほどだ。

 みみな草さんも続く。私は、エッ!という感じであったが、後を追う。  

 このように、沢の中に入って調べるのである。

 だいぶ、探して見つかったという声が響いた。

 慎重に確認して、「コシジタビラコ」と同定された。

 大きさが2〜3mmなので大きく拡大すると、花の跡の種のようなものが4つ。中に縦筋がありコーヒービーンのようになって詰まっている。  

 水深は30cmほどだ。

 ちょっとアングルが悪いなあ。少し調べたが分からず後日になる。  

 続いて別の場所に移る。ここも深いね。登山以上の力量が要求される場面もあった。

 蜘蛛であるが、これは昆虫でなく図鑑もないので後日になる。

 ここも、「コシジタビラコ」であった。  


 また、別の場所に行く。養蜂箱のようなものが木に下がっている。  


 ケナシヤブデマリの実

 いつだったか、どこかの会に参加したときに、解説されていた方がヤブデマリのことをオオカメノキと説明されていた。 私は後ろの方であったので、該当する木を確認するとヤブデマリと分かったので、いらんおせっかいをしてしまった。

 花じいさんに話すと、ヤブデマリとケナシヤブデマリを間違うことは同種なので大目に見れるが、異種なのでひどいなあ と話されていた。ちなみに、北陸では、「ケナシヤブデマリ」である。

 雨の心配もあったが、晴れ渡り気温も高くなったが、風が良く吹いてくれていい散策日和であった。  

アオフキバッタ  

 この植物は、迷宮入りになっていたが、みみな草さんに教えていただいた。

 「タケニグサ」  


 車で移動し、別の場所である。本当にここに入るのかというような場所である。

 ありゃ、ウワバミソウが群生している。しかも、太い!自然観察が、山菜採りに変わった。

 言わなかったが、ここで洒落を思いついた。「細いウワバミソウを取るのはヨシナよ。」

 これは、花を付けている。  

 だいぶ、摘んだぞ!

 背丈上の草が生えているような場所である。目当てのタビラコは無かったようだ。  

 エルタテハ

 至る所に、オニグルミが成っている。

 ヤマホタルブクロ

 このように、ガク片とガク片の間に膨らみがあることで、ヤマホタルブクロと識別できる。  

 崖っぷしを下る。私は、行くことが出来なかった。

 残念ながら、ここには生育していないようだ。  

 うまそうなオニグルミだね。

 羽根の4分の1が無くなっている蝶である。ミスジチョウのようだ。

 お昼になったので、川倉不動に向かう。こには名所の滝もベンチもトイレもある。昼食タイムである。  

 もちろん、ここでも調査は怠らない。

 目当ての植物は見つかった。自分のような初心者ではフタリシズカとでも言ってしまいそうな花である。  

 拡大すると、「ミズタビラコ」であった。上の、コシジタビラコの拡大写真と比較してもらえれば分かるが、花の跡の種の形が ショートケーキのような形になっている。

 滝である。

 キツリフネである。いままでも、キツリフネとツリフネソウを葉だけの状態で説明を受けていたが、花が咲いていた。 鋸歯が違うのである。キツリフネは鋸歯が粗く、ツリフネソウは、鋸歯が細かく、ギザギザであることで区別が付く。
 まあ、自分のレベルでは花で区別しよう。

 昼食を食べていると、きれいな鳥が3m前に飛んで来た。留まったのでカメラを向けようとすると飛び立ち、でもすぐ近くの木に 留まったのでラッキーであった。小さいのでコルリかと思ったが、コルリは首が白いのでオオルリである。

 花じいさんは、野鳥にも造詣が深く、一目でオオルリと同定されたのであった。  

 ここは、日差しが当たらず薄暗いのでいい写真は撮りにくい。  

 餌を咥えている。  

 子育て中なのだろうか。なかなか動かなかったということは、近くに巣があることを暗示している。

 アズマシロガネソウ

 写真が横のままであるが、後から直すことにする。今日は登山ではないので、普段着であるが、暑いので上着のボタンを外している。
 いつみても、被写体には向かないね!

 出た! 「ウシハコベ」とみみな草さんが立ち止まる。

 ハコベも種類が多く、花も小さいのでなかなか見分けが付きにくい。  

 葉はカタバミであるが、黄色いのは初めてではなかったろうか。「エゾタチカタバミ」

 また、ドジを踏んでしまった。このアジサイにツヅラフジが巻き付いていたので、てっきりツルアジサイと言ってしまった。

 葉が違うので慎重に見れば分かる。「ヤマアジサイ」  

 別の場所に行く。通行止めになっているが、通行止めという標識はないので、これを無謀にも乗り越える。

 今回は水辺を調査しているので、再び滝である。

 2か所ある。

 ここは、ミズタビラコのようだ。  

 写真はボケてしまった。  

 「クサアジサイ」  

 「タマアジサイ」

 ハウチワカエデかと思ったが、鋸歯がない。花じいさんが慎重に確認され、「オニイタヤ」と同定される。

 この木は別名、ケイタヤとも呼ばれ、葉の裏面に毛が多いので手探りでしか分からない。

 樹皮である。  

 アブラチャンの実

 この木は、春には黄色い花が咲く。紛らわしいのは、ダンコウバイ、サンシュユである。3つそろって覚えればいいと考えてはいるが・・・。

 アブラチャンの葉  

 アブラチャンの樹皮

 一生懸命鳴いているのでヒヨドリを撮る

 カラスザンショウの花  

 カラスザンショウの葉  

 カラスザンショウの樹皮  

 またまた、ヒヨドリである。

 オニグルミが旨そうになっている。

 ダッ、ダラ!

 手がニチャニチャになってしまった。    

 自生のサツキである。

 自生のサツキである。  

 アオギリの樹皮

 アオギリの葉

 オニグルミの樹皮  

 オニグルミの葉と実

 これは、膨らみがないので、ホタルブクロのようだと単純には行かない。ホタルブクロの特徴はガク片とガク辺の間の付属片が 反り返るとあるが、これは反り返っていないように見える。ヤマホタルブクロに近いかもしれない。  

 ちょっと撮影方法が悪く分かりにくい。

 ダンコウバイの葉

 ダンコウバイの樹皮  

 みみな草さんが立ち止まる。

 これは、ノミノフスマと似ているが、ノミノツヅリであるとのこと。花の直径は5mmほどである。(参った!)

 少し大きくする。葉は対生、花は白色、5弁花。  

 ウツギの実とのこと。タニウツギとは別種であることがここからも分かる。

 ムラサキツメクサ(別名:アカツメクサ)

 クズの葉  

 ここでも終わらない。再びタビラコを求めての散策は続く。多くの植物が密集しおり、分かる〜?と聞くと。

 見つけられる!と、みみな草さんの自信のある言葉が返ってきた。しかし、ここには生育してないようであった。  

 アワブキの葉  

 アワブキの実

 アワブキの樹皮

 まだまだ、続く。軽四でないと通れないトンネルをミラーを擦りながら通り抜けたところである。本日最大の緊張感の場面であった。 これに比べるとテーマパークの施設などたわいもない。  

 道路わきからは切り立った崖で降りれないが、少し迂回すると降りれそうな場所が見つかった。
 ここにも生育していないようだ。

 これも、手持ちの図鑑には出ていない。図書館で調べようと考えている。

 コシジタビラコとミズタビラコの変化地点など大体が把握できたようだが、県内全域となるとまだまだ調査する必要があるということであった。

 植物なので花の咲く時期が決まっており短い場合が多い。

 自分の解説員としての目標も定まった。山を歩いていて、目に入る、樹木、草木、昆虫などをどの季節でも全てよどみなく正確に分かるようになる ことが、スタート時点であると決めた。この結果、称名滝以外の解説活動の時期は少し先になるかもしれないが、何となく不完全な解説活動はできるけれど やるべきではないと強く思っていたので、いい目標が出来て良かった。

 花じいさんの「また、来年」という言葉が、一番印象に残った。こうした活動を何十年も続けておられるとのことで、その片鱗を垣間見れたことで 今回視野が広がったようだ。みなさんに、感謝したい気持ちでいっぱいである。  



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