那須岳



日(曜) 2017年8月18日(金)
行き先 茶臼岳(1915m)
天候 雷雨
メンバー 単独行
コース 到着時刻ー出発時刻 所要時間
ロープウェイ山頂駅 11時25分
茶臼岳山頂 12時05分ー12時10分  30分
ロープウェイ山頂駅 12時30分  20分
 50分


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 今、神奈川県の平塚に住んでいる。3週間ほどの期間であるが、この機会を有効に活用しようといくつか考えて来た。
 その一つに登山がある。南アルプスの拠点である甲府駅まで、2000円少しぐらいしかかからず便がいい。そこで、さっそく 南アルプスの鳳凰山を夜叉神峠から試みるも3日分のテント装備が効いたのか、コースタイムの2倍かかって、やる気をなくして しまった。
 そのため、いじいじしながら機会を待っていた。よりにもよって今年の夏は、戻り梅雨というらしく、ハイシーズンは雨続きで ある。
 平塚市内をサンダルで動き回っていたら、サンダルの底に穴が開いてしまった。新しいのを買ったが、当然足の皮が剥ける。大きく 4か所も水ぶくれがつぶれたようになって、下の組織も露出して歩くにも難儀している状態が続いていた。  もう帰らなければならないが、やはり心残りは登山であった。どこでも簡単に登れる山はないかと探したら、那須岳があった。しかし、 この山も御多分にもれず雨、雷雨注意報が続いている。しかし、風は2mほどと強くない。雨よりも風の方が大敵である。

 拠点の黒磯駅である。平塚駅から直行便も出ているほどの便利さであるが、時間が合わず宇都宮乗り換えであった。しかし、宇都宮まで 乗り換えなしで来れるとは進歩したもんだ!

 足の痛みはひどく手当てをして臨んだ。ドラッグストアで大きめのカット絆創膏を買い、あらかじめ持って来ているテーピングで しっかりと巻いて、靴下で固定した。しかし、一歩歩くたびに擦れるのでズキンとする。
 黒磯駅から東野交通のバスに乗車する。あらかじめ切符を購入するが、那須高原は一大観光地であり、フリーパス券というのが あり、100円お得であった。雨の中、車が渋滞を起こし、大勢の方が来ている。大手ファミリーレストランやコンビニもそろって おり、金への執着の凄さを見せつけられた。

 計画時には、ロープウェイを使わずに蜂の茶屋コースを考えていた。ここでも2時間ほどである。しかし、雨がひどく、足の痛みも 激しくロープウェイで行くことを選択せざるを得なかった。
 バスを降りたのは自分ひとりだけであった。
 切符はフリーパス券を見せれば10%割引になる。しかし、ここで予想もしていない説明を聞かなければならなかった。
 それは、「雷雨注意報がでており、ロープウェイが一時休止する場合や運休する場合もあります。その時は放送がありますので  放送の聞こえる位置にいてください。なお、茶臼岳まで行くと放送が聞こえませせんので、その時は自己責任でお願いします。  エスケープルートで下山された場合、営業時間内であれば片道運賃から手数料210円引いた額をお返しします。」
  要は、登山をするなということである。

 登り始めは、雨が降っていなかったが、念のためにレインウエアの上のみ着る。今日も、貸し切り状態であった。歩いて10分もすると 放送が聞こえ、「ロープウェイが休止する場合があります。無理な登山はしないでください。」の連呼であった。自分しかいないので自分に 向かって放送されているのである。
 しかし、向こうの方に家族連れが下山してくるのが見えた。なんだ、登っている人もいるんじゃないかと、すれ違いざまに言葉を交わす。
 なんか、うれしかったね。

 正面に見える山の向こう側が頂上ということであった。

 道は普通の岩場である。バスの運転手さんが、グローブを付けないで手を切る人が増えていると言っていたが、不要なレベルである。

 しかし、ボイ立てられるように急いだので、心臓がバクバク、汗はダラダラとしんどい歩きが続く。もう30分、20分、10分と自分に 言い聞かせながら、周りを堪能する余裕も無くひたすら真面目に歩いた。  

 雨は無情にも土砂降りになり、レインウエアを履いていない下のズボンの裾から水滴が流れだした。そして、ゴロゴロが何回か鳴る。

   稜線に出た。このころは、息も絶え絶えでこの鳥居で登ったことにしてしまおうかなどと考えていた。

 ああ、祠が見えて来た。ここで終わりであろう。    

 茶臼岳の標柱が見えたので、急ぎカメラを三脚にセットし撮影する。一枚で終わりである。

 一瞬、雨が小降りになり周囲の風景も見えたので撮影する。

 反対側も撮る。

 ここは、一周回るのがオーソドックスなコースであった。  

 急ぎ下山する。登る時に三角点の標識を撮らなかったので、下山時に撮る。

 下山は、よく滑る。しかし、体幹がしっかりして来たのか転ぶことはなかった。向こうにロープウエイの屋根が見えた。

 続いて放送である。「ロープウェイは電気で動いています。下山をされている方は急いでください。」と、自分しかいないので 自分に言われているのである。そう言われても十分急いでいるつもりだ。そして、続いて男性の声で、「今日は、雷雨注意報が発せられ ております。カミナリがこれ以上続くと一時休止または運休することがあります。下山されている方は急いでください。」と連呼される。
 もう10分も待てないのかッ!と私は走った。下りなので重力に任せて足を出した。ロープウエイのところでは、職員の方が総出で出迎えで ある。ここに別のコースを歩いていた若者2名が居た。この内の一人が下山中の私の姿を見つけて出発に待ったをかけてもらったとのこと。 そして、私の走る姿を見て「感動しました!!」と一言。こっちは、返事ができないくらいハアハアと顔をゆがませていた。
ロープウェイは定刻の10分前にもかかわらず、出発してしまった。そして、下車後の営業運転を休止する内容がアナウンスされた。
一時休止ではなく、昼で運休ということであった。

コースタイムは登り50分に対して30分、下りは40分に対して20分と約半分の時間であったが、後味は悪かったね。

ロープウェイに落雷すると停電のようになってしまい、何時間も取り残されるという会社側の説明であった。山に落雷は付きものだから 航空機の車輪のように、手動で駆動できる仕組みを取り入れるべきではないが。登山者から法外な金を巻き上げるばかりが、会社経営ではないだろう!

 せっかく、ここまで来たのだから、観光案内所で名物を聞いて見た。名前が通っている蕎麦屋さんのようで美味しかった。
 寒くて寒くて暖かい蕎麦はありがたかった。

 もう一軒、有名な温泉饅頭を一個だけ買って食べ歩きして帰路に着いた。

 ズボンは走った時の泥はねがひどく、一種のアートのようになっていた。洗う時は、お湯に一晩付け置きして洗濯機で洗った。  



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